資格・免許

調理師免許の取り方完全ガイド|2つの取得ルートと試験内容・合格率

調理師を目指すにあたって、まず気になるのが「調理師免許はどうすれば取得できるのか」という点ではないでしょうか。調理師免許の取得方法には、大きく分けて2つのルートがあります。

この記事の目次
  1. 調理師免許を取得する2つのルート
  2. 調理師試験の内容・難易度・合格率
  3. 2つのルートを比較する視点
  4. 免許取得後の手続き
  5. すでに調理師として働いていて、転職を考えている方へ

この記事では、調理師養成施設を卒業するルートと、実務経験を積んで試験に合格するルートについて、それぞれの流れと特徴を整理して紹介します。すでに調理師として働いていて、次のキャリアを考え始めている方に向けた情報にも触れていますので、あわせて参考にしてください。

調理師免許を取得する2つのルート

調理師免許の取得方法は、次の2つに大別されます。

  • 厚生労働大臣が指定する調理師養成施設(専門学校など)を卒業する方法
  • 飲食店等で2年以上の調理業務の実務経験を積んだうえで、都道府県が実施する調理師試験を受験し合格する方法

どちらのルートも、最終的には同じ「調理師免許」にたどり着きます。どちらを選ぶかは、年齢や現在の状況、費用や期間の考え方によって変わってくると考えられます。それぞれの内容を見ていきましょう。

ルート1: 調理師養成施設(専門学校等)を卒業する

厚生労働大臣指定の調理師養成施設を卒業すると、調理師試験を受けることなく、卒業と同時に調理師免許を取得できます。いわゆる調理専門学校のほとんどが、この指定養成施設にあたります。

在学中に座学と実技の両方を体系的に学べる点が、このルートの特徴です。試験対策を別途行う必要がなく、卒業というゴールがそのまま免許取得につながる分かりやすさがあります。一方で、通学期間中は学費が発生し、在学中は就業しながらの取得が難しい場合が多いと言われています。学校によってカリキュラムや期間の設計は異なるため、検討する際は各校の募集要項で確認することをおすすめします。

ルート2: 実務経験を積んで調理師試験に合格する

すでに飲食店等で働いている方、あるいはこれから働きながら資格取得を目指したい方に向いているのが、実務経験ルートです。飲食店や給食施設などで2年以上の調理業務の実務経験を積んだ上で、都道府県が実施する調理師試験を受験し、合格することで免許取得の要件を満たします。

このルートは、働きながら実務経験を積める点が特徴です。学費がかかる養成施設ルートに比べて、経済的な負担を抑えられる傾向があると考えられます。ただし、実務経験の年数を満たすまでに一定の期間が必要なことに加え、日々の仕事と並行して試験勉強の時間を確保する必要があります。試験の実施時期や受験資格の詳細は都道府県ごとに定められているため、勤務先のある都道府県の担当窓口や公式サイトで確認するとよいでしょう。

実務経験の証明はどうやって受ける?

実務経験ルートで受験する場合、「2年以上の調理業務に従事した」ことを証明する書類(実務経験証明書)が必要になります。これは自分で作成するものではなく、実際に働いていた飲食店・給食施設等の事業者(勤務先)に発行してもらう書類です。

証明書には、勤務期間・業務内容・雇用形態などを勤務先に記入してもらう必要があるため、退職後しばらく経ってから取得しようとすると、当時の勤務先に連絡が取りづらくなっているケースもあると言われています。実務経験ルートで受験を考えている場合は、在職中、あるいは退職後早いタイミングで、勤務先に証明書発行の相談をしておくと安心です。

なお、雇用形態がアルバイト・パートであっても、実際に調理業務に従事した実態があれば実務経験として認められる場合があります。ただし、認められる業務内容や必要な実働時間の考え方は都道府県によって基準が異なるため、自己判断で進めるのではなく、受験を予定している都道府県の担当窓口に、勤務実態を伝えたうえで事前に確認することをおすすめします。

調理師試験の内容・難易度・合格率

実務経験ルートを選んだ場合に受験する調理師試験について、内容と難易度の目安を紹介します。

調理師試験は都道府県ごとに実施される試験で、出題内容や実施時期は都道府県によって異なります。試験は主に学科(マークシート方式の筆記試験)で、調理理論・食品衛生学・栄養学・食品学・公衆衛生学・食文化概論などの分野から出題されるのが一般的です。実技試験は原則として行われません。

合格率の実態

公益社団法人全国調理師養成施設協会が厚生労働省の資料に基づき公開しているデータによると、調理師試験の全国平均合格率は、令和5年度で60.8%でした。過去10年(平成26年度〜令和5年度)で見ても、全国平均はおおむね60%台後半〜70%台の範囲で推移しています。

一見すると難易度が高くない試験に見えますが、注意したい点があります。試験は都道府県ごとに実施され、出題内容・難易度も都道府県によって差があるため、合格率にも地域差が生じています。令和5年度のデータでは、最も低い都道府県で37.0%、最も高い都道府県で82.9%という差が出ており、「全国平均が6割程度」という情報だけで自分の受験する都道府県の難易度を判断することはできません。受験を予定している都道府県の過去の実施状況や出題傾向は、各都道府県の担当窓口や公式サイトで確認することをおすすめします。

過去問の入手方法

多くの都道府県では、過去の試験問題を都道府県の公式サイトで公開しています。まずは受験予定の都道府県の公式サイトを確認し、過去問が公開されていない場合は、調理師養成施設(専門学校)が出版している問題集や、通信講座の教材を活用する方法もあります。出題傾向は都道府県によって異なるため、他の都道府県の過去問だけに頼ると、実際の試験内容とズレが生じる可能性がある点には留意しておくとよいでしょう。

2つのルートを比較する視点

どちらのルートにも一長一短があり、どちらが優れているとは一概には言えません。検討する際に見ておきたい観点を整理します。

期間の考え方

養成施設ルートは、学校のカリキュラムに沿って通学する期間が必要です。実務経験ルートは、2年以上の実務経験を積む期間に加え、試験勉強の期間も見込んでおく必要があります。どちらのルートも一定の期間を要する点は共通していますが、期間中の過ごし方(通学するか、働きながら経験を積むか)が大きく異なります。

費用感の傾向

養成施設ルートは、専門学校への学費が発生します。学校によって金額の幅は大きいと言われているため、具体的な費用は各校に直接確認することをおすすめします。実務経験ルートは、学費がかからない代わりに、試験の受験料や、必要に応じた学習教材費などが発生します。一般的には、実務経験ルートのほうが取得までの直接的な費用は抑えやすい傾向があると考えられますが、その分、収入を得ながら長い期間をかけて経験を積む必要がある点も踏まえて検討するとよいでしょう。

働きながら取得できるか

実務経験ルートは、そもそも「働きながら要件を満たす」ことを前提にした仕組みです。すでに飲食業界で働いている方や、社会人から調理師を目指す方にとっては、収入を保ちながら資格取得を目指せる点がメリットになり得ます。一方、養成施設ルートは、学校によっては夜間部や社会人向けコースを設けている場合もあるようですが、基本的には通学が前提になるため、フルタイムで働きながらの取得は難しいケースが多いと言われています。

社会人から調理師を目指す場合、多くの方が選ぶのは実務経験ルートです。現在の仕事(飲食業界以外の仕事でも)を続けながら、飲食店等でのアルバイト・パートで実務経験を積み始め、2年以上の要件を満たしたタイミングで試験に臨む、という進め方が現実的な選択肢の一つになります。ただし、実務経験として認められる働き方の条件は都道府県によって異なるため、この進め方を検討する場合も、事前に受験予定の都道府県の窓口に確認しておくことをおすすめします。

免許取得後の手続き

いずれのルートで要件を満たした場合も、免許は自動的に交付されるわけではありません。住所地の都道府県知事に免許の申請を行い、審査を経て免許証が交付される流れになります。申請に必要な書類や手数料は都道府県によって異なるため、申請前に住所地の担当窓口(保健所や都道府県の担当部署など)で確認することをおすすめします。

すでに調理師として働いていて、転職を考えている方へ

ここまで、これから調理師免許を取得したい方に向けて2つのルートを紹介してきました。一方で、すでに調理師免許を持ち、実際に現場で働いている方の中には、「今の職場からのステップアップ」や「働き方の見直し」を考え始めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

調理師としての転職を検討する場合、求人の探し方や転職エージェントの選び方によって、進め方が変わってきます。当サイトでは転職エージェントの比較記事も掲載していますので、転職を具体的に考え始めている方は、あわせてご覧ください。

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